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2009年5月 4日 (月)

「芸術の目的は(…中略…)個性の領域を広げることであります」

芸術を技術から区別できる意味だけから言えば、
芸術はまず何よりも個人の領域に係るものであります。

そして芸術の目的は、
それと関連した多くの偶然的技術的機能は別にして、
個性の領域を広げることであります。

それゆえ、偶々(たまたま)ある特定の人物、特定の文化におこって
独自の個性ある形をとった感情、情緒、挙措、価値などは、
他の個人や他の文化に力強く有意義に伝達されうるのであります。

共感と感情移入は芸術特有の方法であり、
いわば他の人間の奥深い体験をともに感じること、
そのなかに感入することである。

芸術作品とは人間がそこから自分の体験の
底流をなす水源をともにすることのできる、
目に見え飲みほすことのできる泉であります。

ルイス・マンフォード『芸術と技術』(生田勉訳・岩波新書)p.17
昭和40年発行(初版は昭和29年)の古書より、旧字体を適宜改めて引用しました。
左のリストには、現在より入手が容易と思われる講談社学術文庫版を掲載しています。

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